【事例】ヴァル研究所「駅すぱあと」-39Geoplaと連動。位置情報連動広告配信を実現(前半)

1988年に路線・運賃早わかりソフト「駅すぱあと(首都圏版)」として誕生して以来、経路検索ソフトの草分けとして多くのユーザーに愛用されている「駅すぱあと」。
当初はMS-DOS版のパッケージソフトでしたが、インターネット検索、ケータイ版サービス、そしてスマホアプリと形を変えて多くの人に利用され続けています。

駅すぱあとは、39GeoplaのSDKにより、位置情報を活用した広告配信サービスを強化しています。その目的と効果について、駅すぱあとを提供する(株)ヴァル研究所の梅本貴之氏と高田香穂理氏にお話を伺いました。

進化し続ける駅すぱあとに位置情報を利用した付加価値を

Android版とiOS版の累計で750万ダウンロードものユーザーを抱える駅すぱあとは、進化しています。経路検索や路線図表示という基本機能に加え、最近は「駅に到着後、出口にたどり着くまでに迷う人が多い」ということから発想した「出口案内機能」や、酔っていても終電情報が簡単にわかる「酔っ払いモード」などの機能を追加しました。

駅すぱあとには以前からGPSを利用して現在地に近い駅を表示するという機能はありましたが、39Geoplaを導入してより詳細な位置情報を活用したいと考えたのは、「出口案内やその場所に合うタイムリーな周辺情報をユーザーに届けたい」という利便性の向上を図り、さらに収益の柱である広告の付加価値を高めたいということがありました。
また、Wi-Fiアクセスポイントを利用した詳細な位置情報を利用してターゲティングを行うだけでなく、移動するユーザーの位置情報に合わせたコンテンツを提供することで、ユーザーとの接点を増やしたいという意図もありました。

「駅すぱあとは電車に乗る前、経路を検索するためにつかわれるアプリなので、電車に乗ったら閉じられてしまいます。イベント情報やお店の情報などを位置情報に合わせて配信することで、電車に乗ってから、あるいは目的地に着いてからもユーザーとコミュニケーションしたいという思いがありました」(梅本氏)

位置情報の履歴でプロファイルを推定

39Geoplaのジオフェンスを利用して(株)NTTドコモと共に共同開発を進め、2015冬には銀座の地下街でイベント情報や店舗情報を配信する実証実験を実施。2016年5月からO2O型位置連動情報配信システムの提供を開始しました。
さらに2016年9月には、ユーザーごとに過去の位置情報の属性からユーザーをセグメントして広告を配信する広告メニューの提供を開始しました。平日昼間公園にいることが多ければ小さい子供がいる、週末スキー場にいることが多ければアウトドア派、などといったペルソナを推定して、それに合わせた広告を配信するものです。

従来、駅前に看板を立てたり、駅前や近隣エリアのチラシ配布で集客を行ってきたような店舗にとって、自店の近くに来た人のアプリに配信できる位置情報連動広告は魅力的です。駅すぱあとが取得している位置情報履歴に基づきターゲティング広告を出稿できることに広告主も着目。引き合いは増えています。

 

ヴァル研究所様のインタビュー記事(前半)はいかがでしたでしょうか。
インタビュー後半の記事は39Geoplaのサイトからダウンロードしていただけます。

・広告の配信ターゲットをいかにして増やすか?
・39Geopla SDKとの連携で、バッテリー問題を改善
・39Geoplaを利用するメリットとは

こんなことに興味のある方は、是非こちらからダウンロードしてみてくださいね!

【参考情報】

「駅すぱあと」のリアル行動データに基づく オーディエンスターゲティング広告が ジオロジックの「Geologic Ad」と接続、7月提供開始
https://www.atpress.ne.jp/news/131851

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【事例】訪日旅行者向け観光情報アプリ「DiGJAPAN!」 – 39Geoplaで「効果の見える」インバウンド向けプロモーションを実現

政府は、2020年までに名目国内総生産(GDP)600兆円達成への成長エンジンとして、インバウンド観光振興を重点政策として掲げ、2020年には訪日外国人4000万の達成を目指しています。まっぷるやことりっぷなどの観光情報コンテンツを提供する昭文社では、訪日旅行者向けの観光情報アプリ「DiGJAPAN!」に39Geoplaを活用した位置情報連動のプッシュ配信を導入しました。昭文社の池田有作氏(ソリューション第一事業部 営業グループマネージャー)と樋田隆盛氏(ソリューション第一事業部 事業企画グループ)にお話をお聞きしました。

国内向けガイドブックをインバウンド施策に転用

「DiGJAPAN!」を始めたのは、元々昭文社がガイドブックのコンテンツとして、鮮度の高い国内の旅行ガイド情報を持っており、これを今後さらなる増加が予想される訪日外国人旅行者向けの日本旅行ガイドとして活用できるのではと考えたためです。そこで、国内向け旅行ガイド情報を5言語「英語、中国語(簡体字・繁体字)、韓国語、タイ語」に対応させた訪日旅行者向けコンテンツの企画を立ち上げました。その後、スマートフォンの普及率が急速に伸びていることなどから、「訪日旅行者、もしくは日本に行きたい人たち」をターゲットとした旅行ガイドアプリを2014年にリリースしました。

「爆買い」も追い風になって急成長

旅行ガイドブックは、旅行にでかけるきっかけとして、また「どこに行って何をするか」を検討する、いわば「旅の上流」にいる媒体です。そのためには充実した観光コンテンツが必要ですが、昭文社は既に日本全国を網羅したコンテンツを持っていたことは大きな強みとなりました。

当時は中国人観光客の「爆買い」ブームで、これにのってDiGJAPAN!のダウンロード数も急成長。公開から4か月で累計ダウンロード数10万件を超えるヒットアプリとなりました。これまで市場が「国内旅行」「海外旅行」しかなかった旅行業界に、「インバウンド市場」という全く新しい市場が生まれたのです。まず新しい市場に対して反応が見たいという広告主も出てきました。

「効果が見える」プッシュ配信を導入

クライアントの要望は、「接触した人のアクションにつながる」コンバージョン率の高い媒体に効率よく訴求したいということです。「安価であっても効果のない媒体には出稿はされませんので、どうやって効果を見せていくかが課題でした」(池田氏)

そこで同社が導入したのが、39Geoplaのジオフェンスを利用した「プレミアムクーポン」でした。サービス開始当初は、特定の空港でのみ入手できる特別なクーポンを配信しました。


もちろんジオフェンスを利用したサービスなので、設定さえすれば任意の場所でプッシュ配信が可能です。「実際に見込み客になりそうな場所にいるお客様」に対してプッシュ配信ができるので、出稿を検討されているお客さまへの後押しとなりました。

きめ細かなセグメンテーションと分析が課題

ロケーションを選んでメッセージを出せるようになったことで、クライアントからはより詳細なターゲティングの要望が出てくるようになりました。「ことりっぷ」や「女子旅」など、セグメントされたコンテンツが評価されてきた昭文社にとって、この方向は予想ができていたようです。「今はインバウンドというざっくりしたくくりですが、これからは富裕層や、ニッチなものに興味がある層など、さまざまなセグメントが出てくるはずです。いかにそこに絞り込んで届けるかが次の課題と思っています」(池田氏)

一方で39Geoplaの可視化ツールについては、まだまだ使い方を模索中です。「行動分析にはさまざまなポテンシャルがあると思いますが、もう少し見せ方を考えないとお客様には売りにくい。分析を専門にしている方がメインターゲットではないので、条件を設定するだけでわかりやすく結果がアウトプットできるようなユーザビリティが必要だと思います」(樋田氏)


ヒートマップなども、人の動きがわかりづらいなどまだまだ改善の余地があるとのことで、39Geoplaとも一緒に考えていきたいとのことです。「可視化ツールが使いやすくなればプッシュ配信もより効果的に使えるようになるし、DiGJAPAN!を営業が売りやすくなる。やはりわかりにくい商材は営業の優先順位が下がってしまうので、今後の改善に期待しています」(樋田氏)

インバウンド観光客を地方へ

最近のインバウンド市場の話題といえば、中国人の爆買いの勢いが落ちて東京の百貨店の売上が大きく見込みを下回ったなど、どちらかといえば暗いニュースが目立ちますが「インバウンド市場全体が縮小しているわけではなく、地方においては拡大していると思います」(池田氏)。

ルート以外の地方の観光振興については、政府も地方創生関連事業で後押ししており、LCCの受け皿として地方空港が機能していくことで、アジアから地方へ直接入国するルートもできはじめました。

DiGJAPAN!でユーザーの行動を追っていると、観光客も2度、3度とリピートするうち、東京や大阪ではなく東北、四国、山陰など、さまざまな場所を訪れる人が増えていることがわかります。「日本には魅力的なコンテンツがたくさんあります。爆買いなどのモノ消費から、体験型のコト消費へと変わってきていることを肌で感じています」(池田氏)

ロケーションに合わせて情報をプッシュすることで、本当の「見込み客」にだけアプローチできるプッシュ配信と、人がどこを訪れているかを可視化する分析機能の組み合わせで、訪日旅行者向けの効率的なプロモーションが可能になりそうなアプリとして注目です。