「タイムカプセル」を仕事に活用する営業マンが増えている?注目の地図作成アプリ「Diground」

お勧めのお店やスポットを集めたオリジナルマップを簡単につくれるアプリ、Diground。地図上の希望の場所を長押しすることで、写真やコメントを「カプセル」として地図上に埋め込むことができるアプリです。

写真やテキストをマップ上の「カプセル」に詰め込む

Digroundでは、マップ上に立てるピンを「カプセル」と呼びます。簡単な操作で写真やテキストなどをカプセルに詰め込むことができます。カプセルにはさまざまなデザインが用意されており、選ぶのも楽しいですが、自作の画像や写真でオリジナルピンを作成するのも簡単にできます。

ユニークなのが、カプセルには「◯年後にならないと開封できない」「◯メートル圏内でないと開封できない」という、時間指定と距離指定ができることです。地図の情報を共有するだけではなく、実際にその場所の近くまで行かないと中身が見えないカプセルや、タイムカプセルのように未来にならないと開けないカプセルを作成することができます。

地球上から地図上へ、埋める場所を変えてみた

それもそのはず、このアプリ、元々はタイムカプセルから発想されたものなのです。企画者がタイムカプセルをやろうとして、埋める場所が見つからず困った経験から、「地球上が無理なら地図上に埋めればいいんじゃないか」と思いついたことからこのアプリを開発したそうです。たしかに、タイムカプセルが眠っている何十年もの間、ずっと掘り返されることがない場所を探すのは大変かもしれません。

土に埋めるタイムカプセルは一度掘り返して開ければ終わりですが、Digroundのカプセルは何度でも開けることができます。もともとのアイデアの通り、タイムカプセルとして時間が経ってから開けてみたり、近くまで行って中身の写真や文字を集める「スタンプラリー」を作成したり、さまざまな遊び方た楽しめます。アプリの通知機能をオンにしておくと、カプセルを開封できる距離まで近づいたら通知してくれるので、スタンプラリーもはかどりそうです。もちろん、時間指定も距離指定もされていないカプセルは、いつでも見ることができます。

意外な人たちが食いついた!

やがて、このカプセルを仕事に活用するユーザーが現れました。訪問販売など、普段外回りをしている営業マンが、自分の訪問先情報を管理するために使い始めたのです。お客様ごとの訪問記録をテキストと画像でまとめてカプセルに格納しておきます。パソコンをわざわざ立ち上げて日報を入力するよりも簡単なので、書類作成に使う時間を本来の外回りに仕えます。

さて、Digroundのもうひとつの特徴が、簡単に特定の人とだけ共有するマップが作れることです。友達と一緒にカプセルを配置しながら旅行の計画を立てたり、宝探しゲームを作ったり、といったことが簡単にできます。

Digroundを利用している営業マンの人たちの中にはマップ共有機能を「チーム営業」に活用する事例も出てきました。地図上に情報を入力して共有できる無料アプリとして、注目されたのです。カプセルの作成や追加入力はリアルタイムで他の営業マンにも通知されるので、コメントでアドバイスしたり、激励したりといったことができます。

また、通知機能を設定しておくと、他の担当者が近くまで来た時に通知され、この近くにどんなお客様がいるかが分かります。訪問記録が残っているので「そろそろ消耗品の補充が無いか訪問してお伺いをしてみよう」といったことができます。何かあればコメントを残しておくことで、本来の担当者は的確にフォローができ、チーム営業の効率が上がります。

サービスを運営する株式会社ディグランドにも「営業マップとして利用できないか」「営業向けに最適化してほしい」という問い合わせが数多く寄せられ、ユーザーの意見を聞きながら営業管理の効率化につながる機能を開発。「営業マンに最適化した、地図にメモする顧客管理アプリ」というコンセプトで2018年2月に新たなサービス開始を予告しています。

2017年マップランキングを発表!

ディグランド社は、アプリDiground内でユーザーが作成した公開地図を共有するMAPまとめサイト「Diground」を運営しており、アプリユーザー以外もマップを利用することができます。先日発表された2017年のMAPランキング上位には、韓流スターが実際に訪問した場所を集めたマップや、「宇都宮の焼き芋マップ」「あきたいぬ像のおしり 全14スポット一覧マップ」など、タイトルを見ただけで興味をそそられてしまうマップがたくさん。これから年末年始にかけてはイルミネーションマップや初詣マップ、春にはお花見マップなども登場しそうですね。

気になりますよね。あきたいぬのおしり。大館サテライトオフィスが提供しています。

ディグランド社では、観光大使・地域おこし協力隊支援プランとして、特別なアカウントを発行し、PCからのMAP作成や効果測定、アプリ内での有料MAP販売などの機能を提供しています。「タイムカプセル」の仕組みで営業マン支援と観光支援、異なる利用シーンで高機能なマップを提供するユニークなサービス、位置情報を活用したビジネスのヒントが詰まっていそうです。

※画像は全て報道発表資料より

【参考情報】
地図上に埋める「タイムカプセル」異例の2,000件突破。年末の振り返り新定番。
営業マンのための「地図にメモする」顧客管理アプリ 2018.2リリース
国内No.1のMAPまとめサイトが2017年アクセスランキングを初公開

身近な「困った」を解決する 自治体アプリで住みやすい街づくり

「家の前の道路に穴が開いている」「いつも通る道の街灯が切れて暗い」…街の環境改善に役立つアプリが、少しずつ自治体に広まっています。

なかなか伝わらない身近な「街の不具合」

生活道路の補修や落書きの消去、ゴミの収集などは自治体の役割ですが、限られた職員が街中を隅々まで常に見回ることは困難です。気づいた住民が役所に通報することになるのですが、そのためにはいくつかのハードルがあります。

まず、目の前の問題は役所のどの部署が担当しているのかがそもそも分かりません。また、電話で通報しようにも、平日昼間の、役所の窓口が開いている時間にかけるというのがそもそも大変です。さらに、場所を正確に知らせるのも、状況を正確に伝えるのも、なかなか困難です。そんな思いをしてようやく自治体に伝えたとしても、いつまで経っても状況が改善しないことも珍しくありません。「どうして困っているのに放置されているんだ」と不満が貯まります。

一方で、役所の立場になってみましょう。持ち込まれるさまざまな困りごとの中から緊急度を判断して対応していく必要があるため、現地を調査する必要があります。その結果、自分達で対応したり、業者に依頼したりといった方針を決めて順番に対応していくわけですが、その過程が住民には見えません。また、同じことを複数の住民から通報されると、その応対に手間を取られます。がんばっているのに住民には伝わらず、仕事が増えていき、こちらも不満が貯まります。

いわば、どちらも幸せになれない状態だったわけです。

はじまりはイギリスから

2007年、イギリスのmySocietyという非営利団体が始めた「FixMyStreet」という仕組みは、住民が街の「困りごと」を投稿する口コミサイトでした。利用者同士の助け合いによる問題解決を促すと共に、mySocietyは、投稿を見て、自治体に代わりに通報するという活動をしていたのです。

FixMy Street 画面イメージ(プレス向け資料より)

スマートフォンが普及すると、mySocietyは「FixMyStreet」というアプリを開発しました。スマートフォンのGPSとカメラ機能があれば、写真を位置情報付きでいつでも投稿できます。同時に、mySocietyは自治体向けに、「FixMyStreetの投稿に返信できる仕組み」を有料で提供しました。自治体にとっても、住民がアプリで通報してくれれば現地調査が楽になり、また対応状況を逐一知らせることで「仕事をしている」ことを分かってもらえます。「無視されているわけではなく、対応に時間がかかっているだけ」ということが分かれば、住民の不満もおさまるというものです。

フルスクラッチで日本版FixMy Streetを開発

やがてこの仕組みは世界各国へと広がっていきました。日本でも、イギリスのFixMy Streetに触発された札幌のダッピスタジオがフルスクラッチでFixMyStreet Japan(http://www.fixmystreet.jp)を開発し、2012年から運用を始めています。

2017年12月現在、FixMyStreet Japanをの自治体機能を利用している自治体は、愛知県半田市、大分県別府市、福島県郡山市、奈良県生駒市、福島県いわき市、埼玉県熊谷市、長野県安曇野市、群馬県渋川市、新潟県妙高市、福島県須賀川市の10自治体。他に、仙台市などで実証実験が行われています。

FixMy Street Japan ウェブサイト

書き込みはゴミの問題、道路の問題、落書き、ユニバーサルデザイン、街灯の故障、その他のカテゴリーに分類されています。投稿を見ると、道路の舗装はがれ、カーブミラーや電柱の傾き、側溝の詰まり、伐採が必要な木や草むら、落書き、ゴミの不法投棄など、さまざまな困りごとがあるのが分かります。

これに対して、自治体の人が「調査します」「場所が分からないので再度情報を下さい」といったやりとりを経て、最終的に解決したら解決後の現場写真と共に解決報告をアップして終了となります。地図も表示されており、投稿されてまだ未対応のもの、対応中のもの、解決済みのものが色分けして表示されます。投稿・閲覧はスマートフォンからもパソコンからも可能です。

FixMy Street Japn アプリ(AppStoreより)

独自アプリを開発する自治体も

FixMyStreetの仕組みから着想を得て、独自のアプリを提供する自治体もあります。最も早い取り組みは千葉市の「ちばレポ(ちば市民協働レポート)」です。自治体が通報を解決するだけでなく、情報を見た市民が自発的に協力して対応した記録も投稿できるのが特徴で、2014年8月のサービス開始以来、2017年12月までで4500件以上のレポートを受け付け、4300件余りの課題を解決しました。困りごとのレポートだけでなく、桜や紅葉など、季節ごとにテーマを決めたお勧めスポットのレポートも受け付けています。神奈川県相模原市の「パッ!撮るん」、大阪府泉佐野市の「まちレポ泉佐野おせチョ~」など、地元のIT企業と協力して独自のアプリを開発する自治体も出てきました。

「ちばレポ」アプリ(AppStoreより)

また、千葉市は、ちばレポのノウハウを他の自治体にも連携すべく、2017年10月から2018年3月までの予定で、「次世代型市民協働プラットフォーム”My City Report”」の実証実験を室蘭市、足立区、墨田区、沼津市と共に実施中です。

アプリによって困りごとを可視化することで、行政に頼るだけでなく住民が協力して問題を解決していく、「住民参加の街づくり」の仕組みとして注目です。投稿されている情報には全て位置情報がついているので、ジオフェンスで「危険個所」をプッシュ通知したり、「お勧めスポット」を知らせたりすると、より安全で楽しい街づくりに役立ちそうですね。

【参照情報】

FixMyStreet
FixMyStreet Japan | 地域・街の課題をスマホで解決
ちばレポ:ちば市民協働レポート |トップページ
My City Report
道路の穴、アプリで直る?相次ぐ導入自治体、犬フン被害に対応も…(with News)

 

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ポケモンだけじゃない! 位置情報ゲームアプリと活用

この記事を3行で説明すると……

  • かるた収集位置情報ゲームアプリ「札ッシュ!! 上毛かるたGO!」
  • L’Arc-en-Cielの位置情報ゲームアプリ「L`Arcollection」
  • スマホアプリならではのメリット

【札ッシュ!! 上毛かるたGO!】

一口に「位置に基づいた情報配信」と言っても色々なアプローチがあるもの。
入店した飲食店のクーポン、近隣店舗の広告配信、地下道でのナビゲーション……。

Pokémon GOやIngressに代表されるゲームも、位置情報に紐づいたコンテンツをはじめとした「情報」を配信しているわけです。
そんな中、変わり種の位置情報ゲームも続々と登場しており、地域密着タイプの一つとしてリリースされたばかりなのが「札ッシュ!! 上毛かるたGO!」です。

上毛かるたは群馬県の歴史や地理、偉人などを札にデザインした地域かるた。昭和22年に誕生し、70周年を記念して5月24日にアプリがリリースされました。

かるたの収集にはGPSを利用し、目的地に到着するとARを利用してかるたが現れます。「『伊香保温泉日本の名湯』=い」の札は伊香保温泉街に配置するなど、ゆかりの地に配置された44枚のかるたを収集する為、ユーザーは群馬の各所を巡ることになります。
44枚をコンプリートすると「上毛かるたにまつわる特別な記念品」を獲得できます。

また、カルタ取得後のクイズやコンピュータとのかるた取り対戦も楽しめ、正答やかるた取りでの勝利、毎日のログインによるボーナス発生などでポイントを付与。
貯まったポイントはゲームを有利に進めるためのアイテムに交換できたりと、ただの地域振興アプリに終わらないボリュームの大きさも魅力です。

 

配信元の株式会社クライムは、地域社会への貢献を目指しており、位置情報を利用したアプリの利点として地域との連携相性の良さが挙げられます。

位置情報を利用する上では現地を移動するのが必須条件ですので
・目的地に足を運んでもらいたい
・特定のルートを通ってもらいたい
・特定のエリアに滞在してもらいたい
という目的を達成するための強力なサポートとなります。

「札ッシュ!! 上毛かるたGO!」の場合も、協力店舗で2000円以上の買い物をすると杉で作成した特製の上毛かるたを店頭で貰え、現実とアプリの中との連携を図っています(特製かるたを使ったARを利用した新サービスも現在開発中)。
アプリと連携することで、店舗側も宣伝効果を得られた上で観光地の活性化の一助となります。
実際に、6月5日から上毛新聞がアプリと連携した企画「上毛かるた70年 ふるさとは今」の連載が決定しています。

【L’Arcollection】

今年で結成25周年を迎えたバンド「L’Arc-en-Ciel」も、なんと位置情報ゲームをリリースしていました。
25周年記念ライブに合わせ、世界初の「アーティストのオリジナル位置情報ゲーム」として3月29日にリリースされたのが「L’Arcollection」です(現在ではサービス終了)。

ライブを控え、ドエル(熱狂的なL’Arc-en-Cielのファン)達にミッションが言い渡されます。

そのうちの1つが「世界中に散らばったL’Arc-en-Cielのピース(欠片)を集めよ!」
ライブが開催されるまでの1週間あまり、ユーザーは世界中(もちろん外国にも!)に散らばった歌詞やCDジャケットのピースを集め、ライブ会場である東京ドームに送信。世界中の人と協力して100%の獲得を目指す、というもの。
Twitterの公式アカウントによると、3月31日にはコンプリートが成されました。

ピースを10個送信するごとに特製画像を1枚入手でき、ファンにとってはたまらないサービスでした。

【39Geoplaを使ったイベント】

「札ッシュ!! 上毛かるたGO!」のかるたや、「L’Arcollection」での特典画像のように、ゲームの特典や思い出を省スペースに保存しておけるのはスマホなどのデジタルデバイスを使う利点の一つです。スマホアプリであれば、折に触れ気軽にプレイ記録を振り返ることができ、サービスのリマインダともなります。

39GeoplaにおいてもBATMAN 75周年イベント「バットマークを探せ!」の中で、バットマークを見つけたユーザーに限定壁紙を配信しました。
ジオフェンスと紐づけた配信をすることで、イベント会場まで足を運んでもらうきっかけ作りにもなります。

ユーザーの許可を得た上で属性情報を得られれば、アンケートなどと連動し、より良いサービスにするためのフィードバックを獲得できます。
実際にどれだけの参加者がいたかなどの効果測定も容易で、マーケティングやコンサルティングにも利用できたりと、スマホアプリを使用したイベントは利点も多いのです。

【参考リンク】

札ッシュ!! 上毛かるたGO!
http://www.fudash-go.com/

上毛かるたスタンプラリーで、未開の地グンマーを開拓せよ! 群馬発!上毛かるたゆかりの地でスマホをかざして、 全44種のゲットを目指す位置情報をつかった上毛かるたゲーム 「札ッシュ!! 上毛かるたGO!」5月24日に無料で配信!
https://www.atpress.ne.jp/news/128993

L’Arc-en-Ciel、東京ドームに向けゲーム世界配信(音楽ナタリー)
http://natalie.mu/music/news/226620

 

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