店舗がコインロッカーに!? ”ecbo cloak”を使ってみた

この記事を3行で説明すると……

  • 新たな荷物預かりサービス”ecbo cloak”
  • webから予約して、街ナカのお店に手荷物を預けられる
  • 実際に使ってみた!

【ecbo cloak】

IoTやO2Oという単語を見かけることも増えてきた今日この頃、新たなサービスが生まれました。それが、遊休スペースを活用した「荷物一次預かり」シェアリングサービス”ecbo cloak”です。

このecbo cloakを利用することで、街中に点在するカフェやバー、オフィス、果ては整体院や着物レンタルショップなど様々な提携店舗がハンドバッグやスーツケースを預ってくれます。
身軽になった後は、観光や街歩きを存分に楽しみましょう!

2017/1/18の時点で100店舗以上が登録済み、現在は限定された店舗のみでの利用ですが順次公開予定とのこと。この記事の執筆中にも対応店舗が増えていました。

【ecbo cloakを使ってみた! 荷物を預ける編】

どんなサービスなのかは、試してみるのが一番。
というわけで……

1泊2日の小旅行のつもりで、行ってきま~す!

まずはecbo cloakにアクセス。現在はwebブラウザ上での操作ですが、将来的には専用アプリで対応する予定とのこと。
アプリにはサービス対応店舗が表示されます。

旅先でスマホからアクセスすることが多そうなので、今回もスマホのブラウザから開いてみましょう。

2017年2月下旬では、新宿、渋谷、浅草近辺に対応店舗多し

今回は対応店舗の多い渋谷を舞台にチョイス!

 

駅からの距離や預かり可能な荷物の数、
店舗詳細からは営業時間やWi-Fiの有無、
コンセント使用の可不可等の情報も閲覧できるのが便利

 

渋谷を拡大して、店舗アイコンをタップ。
今回の舞台は渋谷のカフェ、「factory」さんです。

予約フォームは挙動も軽く、サクサクと進行していきます。日付と時間、預ける荷物を指定して確認ボタンを押せば、すんなりと予約完了です。
チェックインの時間よりチェックアウトの時間を早く指定しまったりすると、きちんとエラー通知してくれるので安心。

 

あっという間に予約完了。
では早速factoryさんへ向かいましょう。

まずは電車に乗り込んで渋谷駅へ。
ここで痛感したのが日頃の運動不足。サービス利用レポートのはずが、自らの不摂生を思い知らされることになるとは……。階段の上下に身体が悲鳴を上げます。
キャリーバッグの中が空だと言うのにこれでは、実際の旅行時にキャリーバッグを抱えながら移動するのは大変だろうなぁ……。
合わせてコインロッカーのありがたさも再認識。
日常的に使うことは少ないので普段は気にしてないのですが、地方から来た友人がよく荷物を預けています。
最適なタイミング、場所でこのecbo cloakを利用できれば旅先でのフットワークも大分軽くなりそう。

明日の筋肉痛を心配しながら、渋谷から徒歩数分、factoryさんにたどり着きました!

 

店員さんにecbo cloakの利用を伝えると、予約の段階で店舗にも連絡が入っていた様子。「チェックイン」して、荷物を預かっていただきました。
確認の為、店舗側端末でも荷物の写真をパシャリ!

荷物を預けた後のecbo cloak
アイコンとして自分の荷物が表示されました

荷物を預けたら、フットワークの軽いこと軽いこと!
早速渋谷の街に繰り出しましょう!(仕事に)

 

【ecbo cloakを使ってみた! 荷物を引き取る編】

街ブラを堪能した後は、荷物の受け取り。
先程お邪魔したfactoryさんへと戻ります。

店舗端末にて「チェックアウト」。ボタンをタッチするだけなので、待ち時間はほとんどありません。

 

無事、荷物を受け取りました。
直後に筆者の端末がブルルッと震え、チェックアウトの完了のメールが届きました。

前後して、事前に登録しておいたカード口座から、今回の利用料金600円が引き落とされます。バッグサイズ300円、スーツケースサイズ600円と分かりやすい料金体系も個人的には好感が持てるところ。
利用履歴もしっかり残っているので、ヘビーユーザーでも振り返りしやすい仕様ですね。

 


せっかくですし、カフェラテをオーダーしてほっと一息。飲食店で荷物を預けた場合、合わせて食事やカフェ利用をするケースも多いんじゃないでしょうか。

日本語は勿論、英語、中国語(簡体字/繁体字)、韓国語にも対応しており、インバウンド向けや2020年のオリンピックに向けたサービスとしても懐が深そう。

現在は当日内での利用のみですが、factoryさんのお話では将来的には日をまたいだ預かりも視野に入れているそうです。

【ecbo cloakを使ってみた! 感想編 with カフェラテ】

実際にecbo cloakを使ってみたところ「新形態のコインロッカーサービス」という印象でした。

店舗を疑似的なコインロッカーにできる為、必ずしも駅に限定されず、現在地やこれからの予定と相談して最適な店舗を選択できます。既に大きな駅にたどり着いているのであれば、従来通りコインロッカーを利用することの方が多いかもしれません。

事前予約を取ることができ、現在の利用状況も確認できる点は大きなアドバンテージだと感じました。駅ナカのコインロッカーは、場所を探すことからして億劫なんですよね。
コインロッカーは荷物の大きさにある程度制限が生じますが、店舗であればそこまで厳密な大きさを気にしなくてもよさそうです。

今後、ecbo cloakのサービスを広く利用できるようになるには店舗の協力が不可欠ですが、スペースを提供する店舗にもメリットが大きいと感じました。

ecbo cloakの利用料が収入となることも勿論ですが、ロッカー利用の前後に飲食をはじめとした店舗自体のサービスも合わせて利用してもらえる可能性が高そうです。
「こんなお店があるのか」と知名度向上にもつながるので間接的な売り上げアップも期待できます。
基本的には店舗のデッドスペースを使用することが予想されますので、特別な導入コストも必要無さそう。

荷物を受け渡しするオペレーションとトレードオフできるかどうかですが、見ていた限りでは端末で写真を撮り荷物を受け渡す程度なので、メリットの方が大きいように見受けられました。

ecbo cloakの中からプロモコードをシェアすることで、紹介した側/された側それぞれにお互いに300円のクレジットが発行されますので、気軽に試してみるのもよさそうです。

※今回取り上げたecbo cloakのサービス内容は、2017年2月24日現在のものです。

 

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様々な料金体系「pay per ???」

この記事を3行で説明すると……

  • 料金体系の見直しがイノベーションのきっかけになるかも?
  • 走ったぶんだけ 「pay per mile」
  • ひと笑いの値段は? 「pay per laugh」

【pay per mile】

前回のブログ記事で触れたイーグルバスの事例の中で、コスト管理を「1台」「1本(運行本数)」から、「1分」や「1km」といった単位に変更した例をお話ししました。
これにより、同一路線内でも「A~B区間は赤字」というように問題をより詳細に顕在化することができるわけです。

【pay per mile:他の事例】

上記のイーグルバスの事例では必要なコストを時間や距離あたりでとらえなおしたわけですが、距離そのものを顧客向けの料金単位として打ち出している企業に、フランスのタイヤメーカーミシュランがあります。

マスコットキャラ(?)ミシュランマンのイメージ通り、タイヤ事業者であるミシュランはタイヤの販売がメインの事業でした。

しかし「マイレージ・チャージプログラム」は、タイヤという製品ではなく、「Pay Per Mile(日本の場合、厳密にはkm毎ですが)」というサービスを提供する料金体系となりました。

この事業者トラック・バスタイヤのリースサービスでは、利用者は実際の走行距離に応じた料金に合わせてタイヤのリース費を支払います。
費用にはタイヤ・メンテナンス・廃棄タイヤ処理費用などが含まれており、タイヤリースのみならず、メンテナンスや廃棄タイヤの処理といった業務もまとめて引き受けることもできます。

顧客側としても「走行した距離」という実績に対して料金が発生する為、必要以上の出費を強いられません。

pay per mile自体は、日本の自動車保険でも見られます。昨年の走行距離から料金を算出するのですが、段階を踏んだ料金体系(例.Akm以下ならX円、Akm~BkmならY円)になっている為、区分をギリギリ超えて走行してしまうと勿体無い気になってしまうんですよね。

米国のMetromile社では、2016年から走行距離1マイルごとに料金を計算する、まさに「pay per mile」な保険がスタートしました。
専用端末が自動的に走行距離を計測してくれるので、余計な手間もかかりません。
この端末は広い駐車場で自分の車の位置を参照できたり、過去に出かけた際の走行時間や経路などの情報も取得することができます(スマホと連動)。

【pay per laugh】

変わった事例が飛び出しのは、バルセロナにあるコメディ劇場「TeatreNeu」での2013年のケース。
スペインは財政赤字削減を目的に「付加価値税」の税率大幅引き上げを決定した時のこと。娯楽性の高い、映画館や劇場などのチケットに対する税率はそれまでの8%から21%に(!)引き上げられました。
自然と客足は遠のき、売り上げ減少の苦境に立たされることに。

この苦境の中、ユニークな料金体系が生まれました。
舞台への入場料は無料とし、その代わりに「ひと笑いに対し0.3ユーロ(約40円)」という料金システムを導入したのです。
座席には一台ずつ顔認識システムを設置し、笑った回数をカウント。笑った分にだけ料金がかかるので、観客としても支払いに対し納得感が生まれます。

無制限に課金されるのではなく、どれだけ笑っても最大24ユーロ(約3200円)に収めてくれるのも嬉しいところ。
「100笑い」、「200笑い」などのように、プリペイドチケットを購入することもできます。

更に、劇場を出た後で自分の「笑いの履歴」を振り返ることもでき、その様子をSNSで拡散することも可能。データを取ることで演者側も笑いのタイミング、盛り上がりの程を知ることができます。これからはお笑いにもIoTの波が押し寄せるのかも?

様々な施策が功を奏し、観客数も35%増を記録。同様のシステムを取り入れる劇場も現れたそうです。

【pay per view】

日本でも、衛星放送やCATV等で馴染み深い形態です。視聴する1番組毎に課金されます。

2015年にアメリカのHBOが販売したボクシングのフロイド・メイウェザー・ジュニア対マニー・パッキャオ戦のpay per view放送は、単一のボクシングの試合ではアメリカ国内過去最高の440万件を記録、売り上げは4億ドルに達したと公表されました。

インターネットサイトでも表示した回数に応じて報酬が発生するPPV広告が広く採用されていましたが、最近ではクリック毎の報酬(pay per click)やアフィリエイト型の広告スタイルが主流になってきています。

【その他のpay per ~】

地下鉄の一日乗車券なら「pay per day」、TVドラマの過去作一気見であれば「pay per series」、DVDレンタルなら「pay per transaction」と、我々の生活は非常に多くの「pay per ~」で囲まれています。

サービスを利用する側にしろ、新しいサービスを生み出す側にしろ、賢い料金体系を利用したいものですね。

 

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IoT、ビックデータの活用 【イーグルバス】

この記事を3行で説明すると……

  • IoTとかビッグデータって、結局どう使うの?
  • 「バス革命」! 小江戸川越イーグルバス
  • イーグルバスの活用事例の数々

【IoTとビックデータ】

家電、パソコン、自動車、ウェアラブルデバイス、様々な機器とITが繋がる、「モノのインターネット」=IoT。無意識のうちにスマホが一日の移動歩数をカウントしていたり、消費者の傾向を読み解くには十分なビッグデータが蓄積されてきています。

でも、IoTやビッグデータを使って、どうやって目前に迫っている課題の数々をどう解決すればいいの?

今回の記事ではIoTとビッグデータの活用により、経営を大きく改善した例について触れてみたいと思います。

【イーグルバス】

路線バス業界は、通勤・通学の手段として発展を遂げていましたが、近年では少子化等による利用者減により不採算路線での撤退が続いていました。交通インフラの縮小に伴い地域そのものも衰退するという悪循環。

そんな中、埼玉県「小江戸・川越」に本社を構えるイーグルバスは、西武バスが撤退した日高市発着路線の引き継ぎを受けます。
「バス革命」とも言われるIoTとビッグデータ的アプローチにより、業績はV字回復。
現在では、路線/送迎/高速/観光/貸切の各バス事業に総合的に取り組み、データを分析して区間ごとの乗降人数や運行状況を可視化。
情報化の促進に貢献した企業として国土交通大臣賞も受賞しました。

バス会社の規模としては中堅。都内で広く利用できるPASMOやSuicaの利用ができないにも関わらず、自社バス運行管理システムをラオス人民民主共和国に輸出するまでになったIoT活用方法とは、一体どんなものだったのでしょうか。

【情報の可視化】

赤字路線を引き継いだ直後、全く利用者のいない「空気を運んで」いた初年度は、2000万円の赤字。
状況を改善しようにも、何故利用者が少ないのか、運行本数が少ないのか、今の路線にニーズは無いのか、対策を打つにも課題そのものが掴めない状況でした。

そこでイーグルバスは、徹底したデータに基づく「運行状況の可視化」を始めます。
まず、全路線バスにGPSと赤外線センサーを導入。センサーは乗降口上部に設置して乗降の人数をカウントしました。これにより、「乗降の様子」、「季節、曜日、時間帯による差」、「遅延状況」等を把握することができました。

合わせて、現実に即した判断の材料とする為、必要なコストを判断する単位を「1台」「1本(運行本数)」から、「1分」や「1km」といった単位に変更。同一路線内でも「A~B区間は赤字」というように問題をより詳細に顕在化することに成功しました。

データ可視化後は利用者アンケートや地域住民の意識調査と組み合わせることで、ダイヤの見直しや利用者数に応じたダイヤ改正や停留所の新設等を含む運行の最適化を図りました。
次の章では具体的な改善事例について触れていきます。

【具体的な改善事例】

《日高市の事例》
周辺環境の変化によるニーズの変動に対応できたケース。
とある路線で頻発していたダイヤ遅延。分析の結果、原因は途中のバス停の近くに新設された温泉施設でした。温泉を楽しむ利用者により乗客数が急激に増加。乗降などに想定以上の時間がかかり遅延が発生していました。

イーグルバスはダイヤを改正。運行本数を増加させ、余裕のあるダイヤに変更することで遅延は解消。乗降客数は25%向上することになりました。

《小江戸川越巡回バスの事例》
シーズンによるニーズの変動に対応できたケース。
イーグルバスのお膝元である、小江戸川越の巡回バス。最近注目を集めている小江戸の街並みも手伝い、観光客の利用も増加。観光客はスポットでのバス利用となる為、シーズンや曜日、時間帯ごとに利用者の変動が大きいという特徴がありました。
従来は増車をすることで対応していましたが、当然コストも嵩んでしまいます。

そこで、各車両の乗車密度を分析することで観光客の移動パターンを想定。
混雑する区間と全く利用者のいない区間を切り分けすることができました。利用者がいない時間帯はその区間を運行せずに折り返して混雑する区間の運行に充てることで、コストを押さえながら利用者の増加に対応することができました。

《ときがわ町、東秩父村の事例》
潜在的なニーズに対応し、新しい運行モデルの作成に成功したケース。

ときがわ町では、住民全戸アンケートの結果、4割の住民から「バスの運行本数が少ない」という声が上がりました。運行本数が少ない原因は、既存の路線存在していた、長い運行距離の路線。例えば片道1時間かかるバスは往復で2時間必要となる為、そのバスの運行頻度は2時間に1回となります。新車両を導入するには、これまた莫大な導入コストがかかることに。

これに対し、イーグルバスは利用者数データ等の裏付けを元に、「ハブ&スポーク方式」を導入して解決を図ります。これは町の中心部にハブとなるバスセンターを設置することで、各停留所からの運行は半分の時間に収めることができます。上記の例で言えば、各停留所からは、片道30分でハブに到着できるため運行頻度は1時間に1回と時間を短縮することになり、輸送量は2倍に増えることになります。バスの稼働に余裕が生まれれば、混雑する路線にその分のリソースを割くことが可能です。

また、バスセンターを経由すれば、1地点だけが目的地だったバスも、複数地点へと辿り着けることとなります。車両を増やすことなく利便性を向上させることに繋がりました。

また同様の試みを、2016年9月より東秩父村でも採用。「和紙の里」にのりつぎバスターミナルを設置。周辺路線の再編は勿論、農産物直売所やインフォメーションセンターも開設し、地域の活性化にも一役買っています。

《その他》
他にも、行楽シーズンの乗降に対応することで路線全体を見直したり、競合他社の運行便数減少に伴うニーズの増加に対応し停留所を新設したりと、IoTとビックデータから得られる知見を元に、幾つもの施策を打ち出しました。

データの分析から新サービスも生まれました。予約を受けた時にだけバス停まで迎えに来てくれる「デマンドバス」は、利用者のいない時には運行する必要もなく、到着した地点からは別路線のバスを利用してもらえることとなり利用者増の循環を生みました。

【分析の方法次第】

とは言え、データは分析の方法次第というケースもありました。

イーグルバスの利用者アンケートの中では、「電車との乗り換え時間が短すぎる」との声が多かった為、それまでの乗り換え時間3分を10分へと変更したところ、なんと利用者が激減してしまったのです。

よかれと思った実行したダイヤ改正ですが、今度は「乗り換え時間が10分は長すぎる」という感想を持たれてしまったからでした。

この行き違いの原因は、アンケートの取扱いにありました。
アンケート回答者の多くは、日中にバスを利用する高齢者でした。通勤通学のバス利用者は不満を感じておらず、そもそも「アンケートに回答していなかった」わけです。

つまり本当の意味では、情報の可視化ができていなかった。

そこに留意し、早朝や夕方の通勤通学時間帯は乗り換え時間を3分に、日中は10分にダイヤを改正すると、利用者数はすぐに元通りに。

データの可視化は便利でもあり、必要でもありますが、それは一つの側面を表していません。
実際には異なる視点と組み合わせ、時にはアナログ的である判断が必要なことを教えてくれています。

イーグルバスでも、徹底したデータによる最適化を進める一方、KPIは利用者の満足度だけとしています。
一番気になるであろう収支はKPIには設定されていません。
バス事業のコストの大部分は車両費と人件費が占めています。どちらも社会情勢や経済状況によって激しく変動する要素である為、収支をKPIに設定してしまうと、行った施策の効果がわかりづらくなってしまう為です。

業界によって、情報の可視化やビッグデータの活用方法は様々でしょうが、何が必要で何が不要かの見極めが問われます。

【参考リンク】

イーグルバスがセンサー活用で赤字路線を再生、1分・1キロ単位で収支を改善(日経BigData)
http://business.nikkeibp.co.jp/article/bigdata/20140217/259878/?P=1

デジタル時代の新しい経営術とは 赤字にあえぐ地域の足をデータ活用で再生~イーグルバスが具現化した「バス革命」とは~(日立製作所)
http://www.foresight.ext.hitachi.co.jp/_ct/17002818

隣町の赤字路線を引き受けた埼玉・川越「イーグルバス」 地域で支える「公共交通」のあるべき姿を訴える(キャリコネニュース)
https://news.careerconnection.jp/?p=13483

交通政策審議会交通体系分科会 地域公共交通部会 資料2(イーグルバス株式会社)
http://www.mlit.go.jp/common/001016941.pdf

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準天頂衛星システム「みちびき」

この記事を3行で説明すると……

  • 準天頂衛星って何?
  • 2020年オリンピックに向け、より精密な測位が可能に
  • どんなサービスが実現できるようになるの?

【これもゆるキャラ? みちびきさん】

みちびきさんのペーパークラフト完成!
後述の公式サイトから、どなたでもダウンロード可能です

冒頭に「どーん!!」と登場したのは、JAXA(宇宙航空研究開発機構)が運用中の準天頂衛星システム「みちびき」の公式マスコットキャラクター「みちびきさん」。
途中で性別が変わったりと、なかなかの注目の的だったツイッターアカウントは、フォロワー4万人に迫っています。

2020年のオリンピックを控え、今この「準天頂衛星」が期待を集めています。
いわゆる普通の人工衛星とは、一体どんな何が違うのでしょうか?

【準天頂衛星「みちびき」とは

我々の生活でもお世話になることの多いGPS。
便利ではあるんですが、たまに2つも3つもズレた通りに現在地点が表示されるたりするのがたまにきず。

GPSはアメリカ合衆国が運用、人工衛星は地球をグルグルと周っているため、一度に利用できる衛星数などにより大きく影響を受けることがあります。このGPSの情報を補完し、より高度で精密な位置情報を取得する為に運用を目指しているのが、準天頂衛星システム「みちびき」です。

【準天頂衛星って、何が違うの?

GPSで測位を行う際は、GPS衛星の配置や数、日本の特徴的な山地/高層ビル群等の影響を受けてしまいます。それをカバーする為に打ち上げられているのが準天頂衛星です。

準天頂衛星はその名の通り、衛星が準天頂(ほぼ真上)軌道を取るのが特徴。日本のほぼ直上に位置する時間が長い為、データ受信に有効な時間も長く、遮蔽物に遮られることも減り、より良い衛星の幾何学的配置を得ることができます。
また複数の周波数を使って測位することも可能で、精度向上に一役買っています

2010年に始まったみちびき初号機の打ち上げに続き、2017年度内までには2~4号機の打ち上げが予定されています。
内閣府の宇宙開発戦略推進事務局によれば、測位誤差の改善や安定性の向上には衛星が8機以上見えることが必要とされています。
GPS衛星は常に地球を周っている為、日本で常時利用できるのは6機程度。
準天頂衛星はローテーションで常に3機が日本付近で見えるため、GPS衛星6機と合わせて8機以上となり、安定した高精度測位を行うことが可能です。

2023年度には7機体制での運用を目標としており、都市部や山間部を含めてより正確な位置情報が取得を目指しています。
いずれは準天頂衛星のみでの単独測位も現実化するかもしれません。

どうなるのか

準天頂衛星システムによって補強された測位では、ある程度の環境が求められるとはいえ、誤差数cm以内での測位すらも可能になります。
これにより、位置表示の精度が向上することは勿論、様々な技術の現実化に期待が持たれます。

自動駐車や危険察知ブレーキなど便利になってきた自動車ですが、準天頂衛星の配備により完全自動走行が現実味を帯びてきました。
日常での乗車以外にも、農業機械を自動で隊列走行させることで収穫期の作業を大幅に簡略化することができます。数cmの測位が可能になったことで、車体が畝を避けて走行できるわけです。

また、準天頂衛星システムから派生するかたちで、屋内外をシームレスに測位を可能にしたIMES(Indoor MEssaging System)という技術が生まれました。

他にも、ロードプライシング(有料道路での自動課金)への活用、子供や高齢者の見守り、アスリートの競技場移動ログ取得……内閣府宇宙開発戦略推進事務局でも、災害・危機管理通報サービスや、安否確認サービスなどの展開が予定に上がっています。

39Geoplaにおいても、GPSの精度が向上し、細かく設定したジオフェンスが緻密に動作すれば、より正確なユーザー動線分析や、屋外販売ブース毎に異なる情報配信など、より細やかなサービスが再現可能になります。

【おまけ

冒頭に登場した「みちびきさん」ペーパークラフトですが、みちびき特設サイトよりダウンロードできます。一息つきたい時、作ってみるとほっこりした気分になることうけあいです(笑)

また、みちびきに関する各種データをダウンロード可能なサイト、QZ-visionでは、変形・格納まで可能(!)な超精巧ペーパークラフトが公開中。
パッと見ただけでも驚く程のクオリティです。

 

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