Google mapをはじめ、ますます我々の生活に密接した存在になってきた地図アプリ。
便利になる一方で、地図という特性上似たような画面構成になるのは仕方のないところなのでしょうか。美麗なイラストや、由緒ある古地図の上を歩き回ることができたなら……。
そんな想いを形にしたサービスが、「Stroly(ストローリー)」です。
「Stroly」
その名も「株式会社Stroly」が運営するこのサービスは、「手描きのイラスト、古地図や観光案内図の上で、実際に歩き回る」ことのできるプラットフォームです。
最大の特徴は、画面に表示したイラストマップ上に、GPSが測位した現在地を表示できる点。
たとえば、Strolyの「ちずぶらり KYOTO SWEETS MAP by aya i」を開きながら京都の街を散策すれば、ポップな色調のイラストマップ上に現在位置を表示するのと同時に、あちらこちらのスイーツショップ情報を眺めながらお散歩することができます。
建物の外観などがイラスト化されているので、マップに記載されたショップやランドマークとの位置関係も、よりダイレクトに感じられます。
本来、イラストマップや観光案内図のようにディフォルメされているマップの場合、縮尺が正確で無いことが多くなりますが、Strolyでは特許技術によりイラスト上でも位置を表示。ボタン一つで現行の地図にも切り替えが可能です。
PCやスマホのブラウザで閲覧できますので紙ベースでの地図を持ち歩く必要はありません。
また、Strolyに手持ちのイラストマップや古地図をアップロードし、自作マップを無料で作成することも可能です。
イラストデータをアップロードしたら、オススメ店舗や名所旧跡をランドマーク情報として登録、地図上の地点を緯度経度と紐づければ、GPSと連動してマップ上に現在位置を表示することができます。
ライブラリには既に多くのマップがカテゴリ分けされて登録されており、実際にGPSと連動した利用が可能です。
Storolyは「ちずぶらり」という自治体と連携したご当地アプリサービスの流れを汲んでおり、現在アプリとして公開されている地図を一部参照することもできます。
(2017年6月13日現在、Strolyはα版として公開されています。アップロードするイラストなどは著作権に注意しましょう。)
以下ではStrolyが携わっているサービス他について触れていきましょう。
「神田祭ぶらり」
2017年の5/11~5/17に開催された神田祭を楽しむための施策の一環として、株式会社Strolyが開発したのが、アプリとウェブのサービス「神田祭ぶらり(iPhone版/Android版/ブラウザ版)」でした。
「神田祭ぶらり」の中では、神田明神所蔵の3基の鳳輦・神輿の神田祭巡行路図の中で自分の現在位置情報を表示することができます。
マップ内のピンを選択すれば、絵巻物や歴史的な写真、江戸時代から現代に受け継がれる伝統メニューを提供する飲食店なども閲覧できます。
また明治初年の巡行路図や江戸時代の近辺古地図を開くこともでき、現代と過去を自由に行き来することも可能です。多彩な地図を見比べることで、時代と合わせた巡行路の変遷もうかがうことができます。
「上野文化の杜マップ」
上野文化の杜公式サイトでは、200箇所以上のみどころ情報を参照しながら上野近隣の魅力的なマップ上を歩くことのできる「上野文化の杜マップ」を提供しています。
上野文化の社マップ内では、明治23(1890)年の錦絵、香朝楼国貞の「上野一覧内国博覧会之図」をはじめ、10種類のマップを利用可能。
1800年代の測量図のような古地図とともに、「上野公園案内図」や「上野・谷中ガイドマップ」のように現在の街歩きに利用できるマップがワンタップで切り替えられます。
特に「上野公園桜マップ」を使ってユーザー同士の位置の共有を図れば、お花見シーズンの待ち合わせにも活躍しそうです。
スポット情報は英語表示にも対応しており、多国語展開できればインバウンド向けのサービスとして成立する懐の深さを示しています。
今後も、上野に関する様々な地図を追加予定とのことです。
「京歩きマップ(KYOTO MAP for Tourist)」
観光施設や交通機関など、観光客にとって有用な情報に焦点をあてたオフィシャル観光マップ「京歩きマップ(KYOTO MAP for Tourist)」。
その京歩きマップをStroly内で提供する実証実験が、2017年2月20日より始まっています。
市内にて配布されている京歩きマップ、および264基の観光案内標識や印刷物に掲載されたQRコードを読み取ると、スマートフォンで開かれたStroly上で現在地が表示されます。
勿論、街歩きをしながらStrolyに表示されたランドマーク情報を閲覧することが可能です。
観光案内標識のQRコード利用は、3月17日からサービスを開始。実証実験自体は2018年2月までの実施予定です。
資金調達
2017年5月16日付けで、Strolyは総額約1.4億円の第三者割当増資による資金調達を実施したとレポート、主な目的としてはビジネス利用の促進や利用者拡大、より多くのマップ提供、機能向上などを掲げています。
また海外進出を視野に多種多様な国籍の人材を採用するとしており、既に2名のフランス人を社員に迎えています。
【参考リンク】
古地図の中を探索しながら上野の魅力を再発見! 「上野文化の杜マップ」提供開始! ~上野の楽しみ方が拡がる地図サービスが新登場~
http://www.metro.tokyo.jp/tosei/hodohappyo/press/2017/03/16/documents/12.pdf
【広報資料】「京歩きマップ」,観光案内標識の地図をスマートフォン等で利用可能になります
http://www.city.kyoto.lg.jp/sankan/page/0000215094.html
位置情報に様々な表現を与える Stroly、総額 1.4 億円の資⾦調達を実施
https://stroly.jp/press/2017/0516.pdf
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