JR山手線の位置情報系ゲームアプリ「山手線黒猫誘拐事件」

山手線で遊べる位置情報系ゲームアプリ

iPhone/Androidのアプリとして、一風変わったアプリが登場しました。
JR東日本の山手線車両内で楽しめる「山手線黒猫誘拐事件」です。

山手線ビーコンを使ったアイデア・アプリコンテスト

誕生のきっかけとなったのは、JR東日本とNTTドコモが共同で2017年2月に開催した、「山手線ビーコンを使ったアイデア・アプリコンテスト(アプリ部門)」でした。

これは、 山手線全車両に搭載されている非可聴音波ビーコンを利用した位置情報検知サービス「AirStamp」を使った、自由なアイデアや技術によるイノベーションを目指したコンテストです。
上位のアプリは、商用環境での山手線チェックインサービスの無償提供や、プロモーション支援を受けられることもあり、各プレゼンテーションは熱を帯びました。

・現在地周辺の店舗情報を自動取得してクーポンやポイントと連携できる「とれぽん」
・駅や電車の広告をエンターテインメントにすることを目指した「山手線デパート」
・同じ山手線車両の時間、空間を共有している誰かとのメッセージのやりとりを楽しむ「KINOWA」
・ママ向けサポートとして、ベビーカーを使用していても利用しやすいルートを表示してくれる「ママの手」
など、意欲作が次々と登場。

そんな中で最優秀賞に輝いたのが、最後に登壇した株式会社QOLPの「黒猫誘拐事件(コンテスト時名称)」でした。

「山手線黒猫誘拐事件」

「山手線黒猫誘拐事件」は、音波ビーコンを使って検知される山手線の列車位置情報と連携し、リアルタイムに物語を読み進めることができるゲームブックアプリです(※特許出願中)。

列車の進行に合わせ音波ビーコンから発信される位置情報が切り替わり、アプリ側でも新たなストーリーが展開されることになります。
山手線の全駅情報が登録済みで、どの駅からでもゲームを始めることができます。
各駅や乗車している号車、季節、時間帯などによってストーリーを分岐させることもでき、アップデート毎に新しい展開が生まれるかもしれません。

車両内のデジタルサイネージや車両情報、現在地周辺情報などと連携することで、更なる発展性を感じさせます。

駅間移動中には、近隣の情報や広告バナーが上部に表示することができる

「山手線黒猫誘拐事件」を遊んでみる!

筆者も「ゲーム」と名のつくものは嫌いではありません。早速スマホにインストールして遊んでみました。

「山手線黒猫誘拐事件」は、主人公の愛猫ミーが誘拐されてしまったところから物語が始まります。

ゲームを開始すると、「その列車は~駅に向かっているところかな? 〇号車に乗ってることだってちゃんとわかっている。」と、ドキリとさせられるメッセージが配信されました。
搭乗している車両の音波ビーコンをスマホが拾っているので、こんな演出もできるんですね。ゲームを立ち上げて早々、新しいサービスの可能性を見せつけられた印象です。

あちらこちらで登場するクイズ爺さん
最も多く遭遇するであろうキャラクターの一人

次の駅を通過したところで、クイズ爺さんなる人物と出会いました。クイズ爺さんはところ構わずクイズを出題してきます。

クイズは山手線や各駅にちなんでおり、見事正解すればゲームについてのアドバイスや、ミーを見つけ出す為に必要なアイテムをもらうことができます。もしかしたらいい人なのか……?
あちらこちらにクイズのヒントも散りばめられており、ニヤリとさせられることもしばしばです。

ゲームブックアプリとうたっているのも、なるほど以前に流行っていたゲームブックを連想させるプレイ感です。ゲームブック自体の販売は一時期減少した印象が強いですが、人気の火付け役となった「火吹山の魔法使い」のリメイクや、謎解き要素を含んだ「人狼村からの脱出」の発刊など、現在のデジタルデバイスの普及に合わせて再流行の兆しを見せています。

プレイしてみると、所持金やアイテムを始めとしたパラメータやパラグラフ管理(ゲームブックの特徴でもある「~番の選択肢に進め」というやつですね)をする上で、スマホやタブレットはとても相性がいいと再認識しました。

「山手線黒猫誘拐事件」では、ミーをさらったと思しき謎の人物からのメッセージを受け取ったり、クイズ爺さんをはじめとするバラエティー豊かな登場人物達との出会いを繰り返し、選択肢をタップすることでゲームが進行します。
選択肢によってゲームの展開に影響が生じますので、常に「この選択肢でいいだろうか」と考え続けるのがゲームブックの醍醐味ですね。

ミーを助けるためのレアなアイテムや、新たなキャラクターとの出会いを求めて「山手線でちょっと遠出してみようかな」という気持ちにさせてくれるアプリです。

さて、貴方は無事にミーと再び出会うことはできるのでしょうか?

アプリの不思議なフレーバーを底支えするのは、
独特の世界観を持つTerraさんのイラスト

音波ビーコン

音波ビーコンは、その名の通り非可聴音域の「音波」を使っているのが特徴です。スマホのマイクを利用してチェックインを判別する為、端末側でBluetoothやWi-Fiのように設定をONにする必要がありません。
また、複製防止信号を重ねることで成り済ましを防止したりと、セキュリティにも優れています。

一方で、スマホがバックグラウンドに回っている際には検知できない為、画面がOFFの状態ではジオフェンスに足を踏み入れた際に通知が飛んでくる、といった使い方ができません。

音は壁で反射する為に、壁越しでのチェックインにBeaconやWi-Fiと差がありますので、目指すサービスのイメージによって、デバイスを使い分けたいですね。

(当記事の画像については、株式会社QOLPに使用許可をいただいたもの、プレスリリースに掲載されているものを使用しております。

【イベントのプレスリリース】

山手線ビーコンを使ったアプリ「山手線黒猫誘拐事件」のリリースについて 列車の進行と共にストーリーが進行する新しいゲーム体験
http://www.qolp.jp/wp-content/uploads/2017/08/qolp_release20170901_yamanotesen_kuroneko.pdf

山手線ビーコンを使ったアイデア・アプリコンテスト 発表会&表彰式アプリレポート
http://www.airstamp.jp/contest/final_report/index.html

ゲームアプリ「黒猫誘拐事件」は~ココロも動かせ!山手線~とのテストマーケティングを開始します
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000004.000015888.html

 

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