春が来た!位置情報で桜を楽しもう

三寒四温といいますが、少しずつ春の足音が近づいてきています。春と言えば桜、お花見ですね。多数ある花の見ごろをお知らせするアプリやサービスの中から、位置情報を利用したユニークなサービスをご紹介します。

【みんなで作る開花予報!】

季節ごとにさまざまな情報を提供しているのが、気象情報会社のウェザーニューズが提供するアプリ「ウェザーニューズ」です。春のこの時期提供される「さくらch」は、エリアごとのお花見スポット情報と合わせて、場所ごとの桜の開花状況と開花予想がわかる、お花見の幹事には欠かせないサービスです。

さて、ウェザーニューズといえば、会員からの情報を元にしたきめ細かな予報ですが、そんなウェザーニューズらしいサービスが、会員が自分のお気に入りの桜を「マイ桜」として登録し、様子を見守る「マイ桜リポート」です。

お気に入りの桜を見つけたら名前をつけて、種類、周辺環境(緑が多いところか、陽当たりが良いか、水辺か、室外機などの熱源に近いか)を登録します。この時、位置情報もあわせて登録します。登録したら、好きな時に写真とあわせて桜の成長具合を14段階で報告します。成長具合はつぼみの様子だけでも7段階設定されており、正確に報告できるように写真で凡例が示されています。

会員が送信した「マイ桜リポート」はもちろん見ることもできます。桜の名所だけではなく、小さな公園の桜や街路樹の桜など、さまざまな桜を眺めているだけでも楽しいものです。

さて、この「マイ桜リポート」、単に桜の写真を集めているわけではありません。位置情報と桜の成長具合のデータをセットでリアルタイムに集めることで、その情報を桜の開花予想に反映しているのです。

気象庁が発表する桜の開花予想は、例年の実績にその年の気温や天候などのデータを合わせて予想しますが、実際の開花は陽当たりや環境、さらにはその木の生育具合などさまざまな要因が関係します。同じ市区町村内でも、同じ敷地内に隣り合わせに立っている木でも、ちょっとした違いで成長具合が違っていることはよくあります。そうした情報を反映した「マイ桜リポート」のデータをさらに加えることで、予測精度をさらに高めているのです。

【目の前のこの樹はいつ咲くの?がわかる「桜一本予想」】

ウェザーニューズでは、桜の木1本単位で開花時期を予測する「桜一本予報」も提供しています。今、目の前にある桜の種類、成長具合、大きさ、環境、陽当たりを入力することで、位置情報と昨年までのデータ、さらにはマイ桜リポートの情報も加えて、「開花予想日」「五分咲き」「満開」「桜吹雪」がいつかを予想します。

『桜一本予想』紹介動画

もちろん、この時入力した情報も位置情報と共に蓄積され、さらに予測精度を向上するのに役立てられています。ユーザーが楽しめるサービスを提供することで、データをさらに集める、うまい仕組みです。

【近くの桜スポットの情報をプッシュ通知でお知らせ】

「桜との偶然の出会い」をもたらしてくれるのが、日本気象株式会社が提供するアプリ「桜のきもち」です。

使い方は簡単で、アプリをインストールしてGPS利用とプッシュ通知を許可するだけ。桜の名所の近くを通ると場所名、開花予想日、「開花メーター」に基づく開花予測をプッシュ通知してくれます。GPSによるジオフェンスを利用した仕組みです。

「開花メーター」は日本気象株式会社が独自に開発したさくらの開花予想で、桜の花芽ができてから開花するまでの成長率と開花から満開までの満開率をそれぞれ0~100%で表しています。

筆者もアプリをインストールしていますが、移動中に届くプッシュ通知で、春がすぐそこまで来ていることを感じてうれしくなります。知らなかった桜の名所に気付くことも増えました。普段何気なく通過している場所でも、プッシュ通知が届くことで「もうすぐ花が咲くならその頃もう1回来ようかな」という気持ちになります。

地元の人だけが知っている小さな公園や街と一緒に育った桜並木など、「桜の名所」は日本中にたくさんあります。そんな場所の桜の開花予想と一緒に、近くの商店街の「さくらまつり」のお知らせもプッシュ通知で届けてみるのはどうでしょうか。そんな仕組みは39GeoplaのSDKが組み込まれているアプリ「コレビー」で簡単に実現できます。

【「我々のキャンプ地」を探せるジオフェンスサービス?】

ところで桜とジオフェンスといえば、あったらいいなあと感じているサービスが「花見の時に自分たちの陣地を知人に知らせるサービス」です。休日の午後に現地集合をかけても、広い公園の中でなかなか合流できなかった経験、ありませんか?花見会場のレジャーシートに携帯型のビーコンを持ち込んで、その周囲30mぐらいの範囲に入るとプッシュ通知が届くようなアプリがあれば、宴会会場をすぐに見つけられそうです。同様の仕組みはフェスや花火大会、海水浴場、キャンプ場などでも使えます。

「移動先で簡単に展開できるテンポラリーなジオフェンス」には他にも用途がありそうです。例えば、保育園の子供がつける名札にタグ状のビーコンをつけてみましょう。先生が子供を引率して近所の公園までお散歩に行くことはよくあります。公園に到着して自由行動の時に、「子供が一定以上の距離離れたら先生のスマホにアラートが届く」よう、タグ状ビーコンにジオフェンスをワンタッチで設置できるような仕組みがあれば、迷子や事故が減らせることでしょう。名札にも小さく振動したり光ったりするような仕掛けがあれば、子供自身も「ここから外に出ちゃいけないんだな」と気づくことができますね。

39Geoplaサーバーにあらかじめ設定したジオフェンスをonすることで、特定の範囲の人の出入りを一時的に監視する、というアプリも作れそうです。旅行会社の修学旅行パッケージに、コースに合わせて期間中ジオフェンスを設置する設定までセットされていると、喜ぶ先生方もいるのではないでしょうか。

…少し話がそれましたが、今年の桜が楽しみです。

【参照情報】
ウェザーニューズ さくらch
https://weathernews.jp/s/sakura/

桜のきもち
https://s.n-kishou.co.jp/w/info/sakuraapp.html

開花メーターについて
http://s.n-kishou.co.jp/w/sp/sakura/sakura_yosou.html?&info=1

 

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チャットボットと位置情報

この記事を3行で説明すると……

  • チャットボットの技術が発達
  • ジオフェンス的な利用もされているアプリも登場
  • 位置情報との相性も良さそう

【チャットボット】

初期の代表的なチャットボットと言われる「ELIZA」の誕生からほぼ半世紀、2016年は「チャットボット元年」とまで言われ、技術も蓄積し様々なサービスが生まれることになりました。

前回ご紹介した「ドミノ簡単注文」も、LINEのトーク機能を利用したチャットボット式の注文フォームの一つだと言えます。

りんな

2015年7月31日にLINEのサービスに登場して以来、ミステリアスな後ろ姿の女子高生としてユーザーの質問に応答。
女子高生という箸が転んでもおかしい年代設定が、ちょっとはずれたような受け答えをしても意外な説得力を生む背景となっています。

リリース後、あれよあれよという間にLINEのトータルユーザーは400万超、Twitterのフォロワー数も13万超を記録(2017年3月現在)。
ドラマ「世にも奇妙な物語」への出演や、ファンブック発売、サイン会の開催、ラップへの挑戦と、予想だにしなかった展開を見せています。

LOHACO – お客様サポート(マナミさん)

オフィス用品を迅速に届けてくれる、アスクルの運営する個人用通販サイト「LOHACO」。

お客様サポートのページでは、「マナミさん」なるAI型チャットボットが対応。ユーザーからの問い合わせに対し、24時間365日体制で回答してくれます。

全体の問い合わせの1/3を自動応答で処理することに成功しており、オペレーター換算では6.5人分の省人化を図れているとのこと。人件費に換算すると、かなりの金額を節約していることになります。オペレーターの対応可能時間の増加が、より手厚いケアが必要な問い合わせに対して十分なサポートを可能にするという好循環を生んでいます。

定型的な質問が重複することが想定されるユーザーサポートでは「チャットボット×AI」との親和性が高いことも予想されます。

鎌倉 NAVITIME Travel

株式会社ナビタイムジャパンからは、位置情報と連動したチャットボットを利用できるiphoneアプリが2月21日よりリリースされました。

鎌倉 NAVITIME Trabelではメニューバーからチャットボットを起動でき、具体的な検索ワードを打ち込まずとも、「お腹空いた」などと入力すればオススメスポットを提示してくれます。

位置情報を連動させて、事前に行きたいスポットを記録しておけば、実際にそのスポットに近付くとプッシュ通知やチャットボットがお知らせしてもらえます。

NAVITIMEとも連携しており、スポットまでのルート検索も可能です。

現在はiOS版のみのリリースですが、Android版アプリも準備中とのことです。

Repl-AI

そんなチャットボットを自由に簡易作成できるプラットフォームがRepl-AI。フローチャートを作成するようなイメージで作成し、プログラミングは必要ありません。作成したチャットボットはWebAPIとして呼び出し可能で、新規アプリやLINE、Webサイトなどで広く利用できます。

Repl-AIを使って横浜市で実証実験する「イーオのごみ分別案内」では、ごみの分別方法や粗大ごみの処理手数料などについて、チャット形式で確認することが可能です。

39daily

「行動先読みプラットフォーム」をうたった39dailyは、スケジューラライクなUIに加え、メールやtodoリストと連携して宅配物のリマインドやカードの支払いを教えてくれるだけでなく、乗車予定の電車遅延情報や雨が降りそうなら傘の携帯を促してくれる、まさに「先読み」のスマホアプリ。
2016年11月にはアシスタントAIの「ひびの あい」が登場し、趣味に関係したニュースや、質問に応じた情報を教えてくれるようになりました。

【位置情報とチャットボット】

チャットボットを利用する上で一番残念な気分になるのは、ユーザーの期待しない反応が返ってきた時です。

「聞きたいのは、そういうことじゃないんだよな~」
「今いる場所と全然関係無いじゃない」
「一つ前の駅で教えてくればよかったのに!」
というような経験はありませんか?

様々なアルゴリズムを経てチャットボットからの発言がアウトプットされるわけですが、ここに位置情報をからめることで、よりユーザーに即した情報を配信できる可能性が向上します。

特にグーグルグラスのような、AR系のインターフェイスと相性が良さそうです。ジオフェンスにチェックインすることで、街を歩いているとあちこちの店舗にイチオシ情報が重なるようにポップアップし、指先でタッチすると(実際には触れるわけではありませんが)ウィンドウが開いて詳細を参照する……映画やSFの世界の様ですが、さほど未来の話では無いのかもしれません。

 

【参考リンク】

人工知能型チャットボット”マナミさん” LOHACO 全お問い合わせの 3 分の 1 をカバーし、省人化とお客様満足度向上を実現 ~5 月 18 日からはスマホ対応も開始するとともに、さらにマナミさんの親しみやすさ向上へ~
http://pdf.irpocket.com/C0032/VuON/Fw7l/oSd1.pdf

英語対応・観光情報ガイドアプリ『鎌倉 NAVITIME Travel』提供開始
http://corporate.navitime.co.jp/topics/pr/201702/21_4061.html

横浜市とチャットボットを利用した「イーオのごみ分別案内」の実証実験を開始
https://www.nttdocomo.co.jp/info/news_release/notice/2017/03/01_00.html

 

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テレマティクス×フィンテックで貧困層を救う?日本企業がフィリピンで挑戦する新しいビジネスモデル

車両の状態や位置情報をネットワークで収集するテレマティクス。今回とりあげるのは、使い方次第で貧困層をダイレクトに救うソリューションが実現できる、というお話です。

【インテリジェントカーナビからはじまったテレマティクス】
テレマティクスとは、テレコミュニケーション(Telecommunication)とインフォマティクス(Informatics)を組み合わせた造語で、車などの移動体に通信システムを利用して提供されるサービスをいいます。そのはしりとなったのは、携帯電話網や専用通信ネットワークにより、交通情報や天気予報、ニュース、観光地情報などのさまざまな情報をカーナビに送るシステムでした。

やがて逆に、車の位置情報や走行中の車速などのプローブデータを車への情報提供にフィードバックするシステムを自動車メーカー各社は提供するようになりました。これらの情報は、ネットワークを経由してサービス提供者のサーバーに集約されます。そこで車の移動速度を見て渋滞や混雑を推測し、利用者のカーナビにフィードバックすることで、より精度の高いナビゲーションや到着時刻予測が可能になるわけです。

2011年の東日本大震災時には、ホンダ、トヨタ、日産、パイオニアの4社が自社で収集しているプローブデータをもとに「自動車通行実績情報」を地図上に表示する、いわゆる「通れた道マップ」を作成して、被災地への物流や支援に大いに役立ったことを記憶している方も多いのではないでしょうか。

また、車は高度にデジタル制御されており、エンジンの回転数、ブレーキング、走行距離、燃費情報など、さまざまなデータが取得されています。これらの情報もリアルタイムに取得してサーバーで管理することにより、車の状態をメーカーが知ることができます。

カーナビやスマートフォンアプリと連動しており、点検のお知らせや運転状況のモニタリングも可能です。「1万kmを超えたらそろそろ点検ですよ」「ちょっと最近急ブレーキが多いんじゃないですか」「燃費向上には急加速・急停止を避けてゆっくりと」と、とても親切に、時にはうるさく思えるほどにオーナーとコミュニケーションを取りたがるのが最近の車です。

【あらゆる車両をコネクテッド・カーへ】
テレマティクスで収集される情報は全てインターネットを通してサーバーに集約されています。常にネットにつながっているので、テレマティクスを搭載した車両を「コネクテッド・カー」とも言います。サーバーに集約されたデータをもとに、車の位置情報や走行状況を管理するアプリケーションが、物流業界やバス、タクシー業界、あるいは営業車両の管理など、車両管理を必要とする業務で広く使われるようになっています。

業務用車両は資産ですから、古い車両と新しい車両が混在しています。新しいシステムを導入するには、もともとテレマティクス機能がついていない古い車両に後付けできるタイプのテレマティクス端末が必要になります。

OBD2端子に刺して車の情報を吸い出し、位置情報と一緒に携帯電話回線で送信するベーシックなタイプのものだけでなく、車載カメラと連動して映像情報も記録するもの、ミラー型のスピーカー内蔵端末で、オペレーションセンターからの音声による一斉メッセージ送信が可能になっているものなど、テレマティクス端末は多様化しています。

ドライブレコーダー型テレマティクス端末の例(富士通テン 「G500Lite」)
ミラー型テレマティクス端末の例(パイオニア TMX-DM01-VA)

 

【「遠隔地からエンジン起動制御」で与信が不要に】
さて、多様化する車両管理用テレマティクス端末の中でもユニークなのが、今回ご紹介するGlobal Mobility Service(以下GMS社)のMCCS(Mobility-Cloud Connecting System
)です。MCCSを自動車に取り付けると、管理システムで自動車の位置情報を確認できるだけでなく、「エンジンの起動制御」を遠隔操作で行えるようになります。

MCCS(Global Mobility Service)外観。車内の目立たない位置に取り付ける

GMS社のユニークなところはそのビジネスモデルです。「MCCSを取り付けた車両は常時位置が把握でき、いつでも遠隔地からエンジンをロックできる」ことを利用して、「審査不要のオートローン」を実現したのです。

少し話が飛躍しすぎたので、順を追って説明しましょう。オートローンを組むときには、返済能力があるかどうかの審査が行われ、通過した場合にローンが実行されます。そして、もしも返済できなくなれば、車を差し押さえられることになります。言い方を変えれば「いつでも車の差し押さえが可能であれば、とにかくお金を貸してしまって、焦げ付いた時に差し押さえれば良い」という考え方もできます。それを実際に技術で可能にしてしまったのがMCCSというわけです。

【新興国の貧困層が抜け出す第一歩に】
GMS社がメインでビジネスを展開しているのは日本ではなく、フィリピンです。2015年からフィリピンのメトロマニラ(Metropolitan Manila、フィリピン首都圏都市)であるケソン市、マカティ市、パサイ市や大手インフラ企業と提携し、トライシクル(三輪タクシー)ドライバー向けの無審査オートローンを提供しています。

フィリピンのトライシクル(photo by Dokodemodoa, CC-BY-ND

フィリピン都市部の大気汚染は深刻になっており、古い車両から電気自動車などの低公害車両への置き換えが急務となっています。フィリピンの街中を走るトライシクルの多くが、この「買い替えが推奨される」古い車両なのですが、トライシクルドライバーの多くは貧困層のため、買い替えのためのローンが組めませんでした。また、現在失業状態にあって、車両さえあればドライバーの仕事が始められるという人も、ローンやリースの審査に通らず車を入手できないので仕事を始めることができません。

無審査ローンを利用した古い車両の買い替えが進めば、環境問題の解決につながります。また、新たに車両を入手してドライバーになる人が増えれば、失業問題の解決にもつながります。「仕事がないから信用がない」「信用がないから車両が買えない」「車両がないから仕事が始められない」という無限ループを断ち切ることができるのです。

「車両を入手する」という壁さえ超えれば、ドライバーはきちんと稼いで生活をまかない、借金を返済しながら貧困からの脱出が可能になるのです。GSM社によれば、実際に事業開始からこれまでデフォルト(債務不履行)は発生していないそうで、2016年9月にはフィリピンの大手金融グループのBPIグループと、MCCS搭載車両を無審査でドライバーに提供するトライシクルドライバー向けファイナンスサービス提供に向けた協業を発表しています。

「与信って何だろう」と考えさせられますね。

【起動制御+ジオフェンスの可能性】
MCCSは車両の位置情報を管理できるので、指定範囲を逸脱するなど契約条件に違反した時にエンジンをロックするという使い方もできます。走行中の車のエンジンをいきなり停止しては重大事故につながりますので、実際には車両がエリア外に出たことを検知したら安全な場所にいることを確認して停止する、あるいは範囲外にいる車両はエンジン始動時にロックをかける、といった処理になると考えられます。

MCCSによる車両の運行状況や位置情報の管理画面

ジオフェンスを利用して車が範囲外に出た時にアラートを上げるような設定にしておけば、車両別の位置監視業務もスムーズに行えるでしょう。

この事例は車ですが、「移動体の位置を監視しておき、ジオフェンスの範囲外に出た時遠隔で操作する」仕組みは、各種見守りに応用できそうです。

例えば室内飼い猫の首輪に位置情報センサーとBLEタグを入れておき、普段はスリープ状態に、家からジオフェンスを超え猫が出たことを検知したら、アラートをあげると同時に位置情報を通知するモードに切り替える、というのはどうでしょうか。ペットの首輪は充電が大変ですが、この仕組みならバッテリー問題の解消にもつながりそうです。

首輪と一緒に、マイクロチップも忘れずに!

板垣朝子(オルガノーバ)

【参照情報】
自動車IoTベンチャーのGMS、FinTechを活用した低所得者向け車両提供サービスの 大量導入に向け、フィリピン首都圏都市と覚書を締結(Global Mobility Service株式会社)
http://www.global-mobility-service.com/news/detail_151005.html

モビリティIoTベンチャーのGMSとフィリピン大手金融グループのBPI Globe BanKO、FinTech事業の業務提携を締結 (Global Mobility Service株式会社)
http://www.global-mobility-service.com/news/detail_160915.html

モビリティIoTベンチャーのGMSが開発した 革新的なIoT端末「MCCS」を活用したローンファンド 『SBISLテレマティクスローンファンド1号』運用開始のお知らせ (Global Mobility Service株式会社)
http://www.global-mobility-service.com/news/detail_170202.html

クラウド型運行管理サービス「ビークルアシスト」対応 ミラー型テレマティクス端末を発売開始(パイオニア株式会社)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000293.000005670.html

社有車の安全運転支援を簡単・リーズナブルに実現 通信型ドライブレコーダーを使った 「安全運転管理テレマティクスサービス」を新発売 (富士通テン)
http://www.fujitsu-ten.co.jp/release/2016/05/20160516.html

東日本大震災 「自動車・通行実績情報」を公開しました(ITS Japan)
http://www.its-jp.org/news_info/6568/

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位置情報お届け! ピザ×GPS

この記事を3行で説明すると……

  • ピザを注文できるスニーカー?
  • ピザを注文できるタトゥー?
  • 宅配系のサービスは、位置情報を利用する意義が大きそう

【スニーカー】

位置情報を使用したサービスも一層増えてきた今日この頃。米国では2017年3月に開催される大学バスケットボールトーナメントに合わせ、一風変わったTVCMが放映されました。
CMを打ち出したのは、ピザハット。

動画で紹介されているのはハイトップスニーカー「Pie Tops」(おそらくハイトップにかけているシャレ)。

このPie Tops、スニーカーにデザインされたピザハットのトレードマークを押すことで、なんとピザを注文できるんです! 注文に合わせて位置情報が送信され、事前に登録しておいた好みのピザがデリバリーされるという寸法。

Pie Topsは限定64足が存在しており、話題性のある人やピザファンに対して贈られるそうです。
つい何かの拍子にマークを触って注文してしまいそうですが、大丈夫なんでしょうか(笑)。

デリバリーピザは電話で自宅に届けてもらうイメージが強かった筆者ですが、GPSを利用して現在地に届けてもらえば、住所を指定する必要もありません。相性の良さからか、ピザ業界では位置情報を上手に使ったサービスが増えています。

【タトゥー】

スニーカー以上の変わり種としては、英国でタトゥー(!)と位置情報を組み合わせてピザをオーダーするという試みがスタートしています。

ピザハットが2016年10月から始まったこの企画は、幸運なピザファン40名が一足先に体験しています。

タトゥーはすぐに剥がせるシール仕様。
シール内部の機器にスマホでアクセスすることによりオーダーが可能。GPSによる位置情報と連動することで、現在地にピザを届けてもらったり店舗に直接取りに行くことができます。

イギリスでは5人に1人の割合でタトゥーを入れているそうですが、さすがに今までタトゥーとピザのデリバリーを組み合わせるアイデアは出てこなかったようで、確かに斬新な切り口。
スニーカー同様、突飛なプロモーション活動で知られるピザハットの位置情報利用事例です。

【GPS】

《GPS DRIVER TRACKER》
ドミノ・ピザが展開しているのは「GPS DRIVER TRACKER」。

注文を確認する「Pizza Tracker」は、配達が始まると自動的にGPS DRIVER TRACKERに切り替わり、ブラウザのマップ上でリアルタイムでドライバーさんの位置を知ることができます。

シンプルな機能ですが、出前やデリバリーの到着までは何かと気がかりなもの。宅配便と同様、「今どのあたりなのか」を知ることで思っていた以上に安心できます。
ドライバーさんの予定配送ルートや到着までの予想時間も表示される為、洗濯物を取り込んだり、トイレを済ませたり、空いた数分を有意義に使えます。

「配達状況を地図上で確認できる新システム。ピザが近づいてくるワクワク感を楽しめます。」とはサイトのキャッチコピー。
ドライバーさんがチャイムを鳴らす直前、ドアを開けてピザを受け取ることもできるかも?

《ピンポイントデリバリー》
また、ドミノ・ピザでは「ピンポイントデリバリー」というサービスも展開中。
こちらも非常にわかりやすく、スマホの地図上で現在地を指定すれば、そこへピザを届けてくれるという仕組み。
外出先、特にピクニックやお花見、イベント会場等、配達エリア内であればどこでもピザが届くサービスです。

《アプリ》
ドミノ・ピザはLINEビジネスコネクトを利用した注文システムを、デリバリーピザ業界初で導入。

ドミノ・ピザ公式アカウントを友だち追加した後に利用できる「ドミノ簡単注文」では、LINEのトーク機能を使用してピザのオーダーが可能です。

友達へメッセージを送るいつもの要領で配達希望時間や支払い方法などを指定すれば、注文は完了。
配達場所を位置情報で送信すれば、やはりそこへドライバーさんがピザを届けてくれます。

電話ともネットとも違う、LINEの軽快なインターフェイスを用い、より手軽に注文をすることができます。

ピザハットも2016年にスマホアプリをリニューアルし、GPSの現在地特定機能を利用した注文に対応。
店舗検索の精度が向上したおかげで、現在地から一番近い位置の店舗を探して電話注文することも可能です。

【ドローン】

GPSとはややズレますが、ドミノ・ピザは2016年11月に、世界で初めてドローンを利用したピザ宅配をニュージーランドで実施しました。
運送業をはじめ、ドローンを利用した新たなシーン作りの模索が始まっていますが、市場の開拓を先取りしたかたちです。

試験宅配では、注文者に2枚のピザを届けることに無事成功。配達範囲の拡大を視野に入れているそうです。
ニュージーランド以外にも、日本、オーストラリア、フランス、ドイツ、オランダ、ドイツで、

ピザのデリバリーやUberのように、位置情報が強く紐づく業界にとっては、まだまだ試行錯誤の余地がまだまだ埋もれていそうです。

 

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